ピティナ・ピアノセミナー

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小林 律子先生/中島 剛先生セミナー(東邦音楽大学講座・2026/06/07開催)

第19回東邦音楽大学 東邦ピアノセミナー
講師:小林 律子、中島 剛

2026年6月7日(日)東邦音楽大学文京キャンパス50周年記念館にて、第19回東邦ピアノセミナーが開催されました。このセミナーは、ピアノに関わるすべての方を対象にしたもので、2007年のスタート以来、コロナ禍で開催を見送った2020年を除き、毎年開催されています。例年夏の時期に開催しておりましたが、猛暑の影響で今年度は、時期を少し早めて6月初旬の開催といたしました。当日は、比較的過ごしやすい気候で、参加者の方の負担も少なかったようです。

 本セミナーは、本学教員による講座とレッスンによって構成されています。オープニングでは、ピアノ専門部会主任の中島裕紀教授からのご挨拶、ピアノ教員の紹介に続き、学生の演奏が披露されました。大学院1年次生のアンドリュース瑚彩さんが、A.スクリャービン作曲の「焔に向かって―詩曲 Op.72」を演奏し、豊かな音色に溢れた演奏に、会場の雰囲気も一段と高まりました。

 第1講座は、小林律子教授による「インヴェンション研究」~音楽言語について考える~です。インヴェンションの講座は、これまでも行なってきましたが、今回は、バロック期の様式やバッハの作品の姿といった、改めて音楽史を眺める広い視点からのアプローチがあり、バッハがこの作品に求めたものは何かを探る中で、演奏や指導に生かす非常に興味深い内容でした。人の声による作品や弦楽器、オルガンなど当時存在していた楽器による表現や、調性感、当時のレトーリックに対する考え方などから紐解き、それをどうやってモダンピアノによってこの作品をレッスンに生かしたらいいか、論が展開されました。多くの指導者が、楽譜と目の前の分析の次の段階の表現について、新たな扉を開かれた思いだったことでしょう。

 第2講座は、中島剛准教授による「楽譜と音、リズムで理解するピアソラ」~ピアソラの音楽の特徴と作曲技法、表現方法について~です。タンゴの歴史に大きな変革をもたらしたピアソラの作品に、楽譜と演奏の両面からアプローチし、具体的な演奏を踏まえて目と耳で感じとる講座でした。中島剛准教授は、日頃広い分野で演奏活動をしていますが、ピアソラの演奏も多く手がけており、当日は、大学4年次生の加賀竜太郎さんのヴァイオリンと共に、多くの曲が演奏され、会場からは大きな拍手が起こりました。ピアソラの作品に多用される演奏技法についても具体的に解説されていましたが、興味深かったのは、伴奏は拍を確実に保ち、メロディーを自由にうたわせる点は、ショパンがかつて言っていた演奏技法に通じているという点でした。

 本セミナーでは、午前中から、また2つの講座に並行して、本学ピアノ教員によるレッスンが行われます。ピアノ指導者の方で、普段レッスンのチャンスを見つけられない方や、演奏会前の準備の方、また、本学卒業生の方など、セミナーとして気軽に申し込むことができるからこそ受講できるレッスンとして、毎年大人気のレッスンです。

 講座終了後には学食にて、飲み物や軽食と共に懇親会をいたしました。年代を超えて交流が繰り広げられ、音楽についてのお話や、受験についての情報など、短時間でしたが楽しく有意義な情報交換と笑顔の時間でセミナーが締め括られました。

 これからも、東邦音楽大学ピアノ専門部会として、日頃の研究を社会に還元するセミナーとして継続して行きたいと考えております。

尚、本学東邦音楽大学ピアノ部会(専任)教員は以下の通りです。

中島裕紀(主任・教授)、國谷尊之(教授)、小林律子(教授)、浦川玲子(准教授)、中島剛(准教授)

Rep: 東邦音楽大学ピアノ専門部会主任教授 中島裕紀

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