2025年11月28日（金）に加賀町ホールにてアルヌルフ　フォン　アルニム先生をお招きし、「A.von Arnim Beethoven 公開講座」を開催いたしました。

当日は30名程度の方が御参加されました。
ご登壇なさったA.vonアルニム教授は、ご高齢であるにもかかわらず、終始、力強い口調で話され、その講座は、「楽譜通り最後まで弾けたという満足感は、実はまだその曲の10%を成し遂げたにすぎず、残りの90%は楽譜の裏に隠されているベートーヴェンの精神や哲学を理解しなければ、本当にその曲を弾けたとは言わない。」という教えに始まりました。

第１番(op.2-1)では、音形が上行すればクレッシェンド、下降すればディミヌエンドを表現するという音楽の文法について強く語られ、第２番(op.2-2)では、C-durは開く感じ、As-durは英雄的、且つ情熱的、等と、調性感について触れられ、第3番(op.2-3)では冒頭の3度の攻略法や、期待から到達に至るまでのフレーズの持って生き方などを具体的に話されました。

ベートーヴェンのソナタを弾くときに、その時代背景やドイツ観念論を理解することにも触れられ、勉強に終わりはないという感を得ました。その後も興味深い内容が続き、得るものの多い時間を過ごしました。

来年も11月15日(日)に、同じく加賀町ホールにて「A.vonアルニム教授　ベートーヴェンピアノソナタ全曲講座」第３回を予定しております。

Rep : A.vonアルニム教授公開講座運営委員会　森永　美穂子