ピティナ・ピアノセミナー

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菊地 裕介先生セミナー(横浜・2024/09/19開催)

2024横浜バスティン研究会シリーズセミナー 全4回 第3回 演奏表現を高めるテクニックとは
講師:菊地 裕介

2024年9月19日(木)にカワイ横浜ミュージックサロン「プラージュ」にてピアニストの菊地 裕介先生にお越しいただき、バッハ平均律、ベートーヴェンソナタ月光、ショパンエチュードから沢山の曲を取り上げて頂いてそれぞれ演奏表現についての大事なお話を 詳しく伺うことができました。

◎鍵盤楽器の成り立ちからお話頂き、音階は半音階、全音階7つの音からできていてその並び方の重要性を改めて認識させられました。
音階の中でのカラーから主音、下属音、属音、第6音、導音、などひとつひとつの性質をバッハ平均律からテーマを凝視する具体的なお話を伺いました。

◎音階の意味合い、音程の組み合わせによってできているということを把握したうえでスケール、アルペジオなどの幅や高さの違いを考えていくとこの二つの練習方法には差がない。半音の陰りは重要。音程とテーマの関係を常に考える。 リズム的な重心

◎共通することは隣の音同士が必ずイントネーションを持っているということ。そしてイントネーションは体に染みつくように感じられないと単なる音の並びになってしまう。
それぞれの音程も音楽的に成立させる

◎一定のルール、テクニックを理解したうえで自分の考え方感じ方を常に行っていく。
音程を見た場合、性質を読み取る(陰りや前進に向かうエネルギー、重心など)
クレシェンドの役割
次の音とのつながりで初めてクレッシェンドが生かされる。

◇アーティキュレーションのお話ソナタ月光から
符点リズム―1楽章から
3連符、4連符との組み合わせからもう一歩踏み込んで16分音符の複合リズムを把握してから合わせる
スタカート―月光2楽章から―和音についているスタカートが何かを語ろうとしている性質や表情・言葉を読み取る
レガート―音だけつなげるという単純な事ではなくきちんとしたイントネーションで歌われているかがとても大事。
シンコペーション―弾き始めのイントネーションに注意
頭の音にイントネーションはつけない徐々につけていく
ポルタ―ト―3楽章から―イントネーションはあるがつながらない。
(揺れや動きは必要)
ペダル―耳との相談が重要
ペダルを踏めばなんでもOKではない
基本はハーモニー 濁り、滲みとグラデーション。
ペダルを消す・緩和する、の微妙な違い。
モードの中にある半音の量、そしてこの時代はどの位混ぜるかピアノという楽器を使った演奏が意識され始めていた時代。
現代のピアノでは混ざらないものは、滲ませる(量の問題で変わっていく)

集大成
フィンガリング―ポジション、指替え、指くぐり
打鍵をするための意識より今押さえている鍵盤の手の中にある状態から次のポジションへの移り方の工夫の意識

◇ピアノという楽器にいかに適切な指示、命令ができるか、ピアノにやらせたことをよく感じ取って判断して次に進んでいく。命令の仕方は重要。
自分の音にがんじがらめになっている間はまだ弾けていない。

★菊地先生ありがとうございました
最初から内容の濃いお話に引き込まれ、まだまだ伺いたかったです。
ピアニストならではの音の創り方の見事さに魅了させられた短い2時間でした。

Rep:横浜バスティン研究会  須山直子

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