音楽の歴史を自由自在に往来した「オンライン音楽探究」の熱が体の奥にようやく溶けゆく秋、知的冒険の船は、ふたたび海に漕ぎ出します。音楽という内海は、陸を隔てず、芸術の大洋にひと続きに連なっています。待望の続編は、人間の営みすべてを見渡して、音楽と諸芸術との連関を作品の中に見出すことで、現代という難しい時代に私たちが音楽を学ぶ意味を問い続けます。第1回の出発点はイタリア文学の最高峰「ダンテ」。文学と音楽、宗教と音楽、そして人間の宿命と音楽…。国境を遮られ、空と海とを封じられても、私たちの好奇心だけは、しなやかに旅を続けます。