日比谷 友妃子先生セミナー(横浜・2023/09/21開催)
2023年9月21日(木)にカワイ横浜「プラージュ」にて、
2023横浜バスティン研究会指導法セミナー第3回目は国内外コンクール受賞者を数多く輩出されておられる日比谷友妃子先生にお越しいただいてハノンテキストを中心にチェルニー100番の他ソナチネ、ソナタ、平均律等のテキストから曲を取り上げてお話頂きました。
◎ハノン・スケールの重要性
・ハノンとスケールやチェルニーは曲の中に出てくる音階と思って練習し、速さを求めないで音を求めることを重視する。
和声感、フレーズ感をよく感じて曲として仕上げられるように♩=108のテンポ位で良しとする。
・耳を使いながら調によってどうしたら音が変わるかのニュアンスを身につけさせるには機械的になりがちなスタッカート、付点のリズム練習の時から一つ一つ調性の変化を聴きながら意識をもって練習する。
・♯系と♭系の調、Dur と moll を弾く時の指のタッチの違いを身につけ、音の響きをイメージできるように年齢の小さい時から話を取り入れながら弾いてあげることも大事。
・ 音の波をいかに綺麗に出せるかを心掛けさせながら、音を振動させさらに広がることができる演奏を目標に工夫していく。
・ リズミックであること―リズムが基本となるのでその上にハーモニーメロディー感を養っていく。
◎転調のお話
チェルニー100番の77番からはそれぞれの調性に合った曲が出ていて、転調の勉強にもなり、他の曲と並行して取り入れるとチェルニー30番以降のテキストやソナチネ・ソナタの基盤になり、先々ロマン派の理解にも役立つ。
バイエルの音階練習で調感覚に慣れるように、全音・半音・属音・下属音・導音の意味合いや、役割が感覚としてわかることによって柔らかい音、緊張感のある音、色合いなどを小さいなりにも身につけられるようにきめ細かなご指導されていらっしゃるとのお話はなるほど!と気づかされました。
時間の配分が難しいハノンですが、改めて重要な音楽的要素が散りばめられていることに気づかされました。
「作曲家によって音色の違いを感じることが大事です。」というお話を交えながらバロック・古典・ロマン派の作品からたくさんの曲を聴かせて頂けた贅沢なひと時でした。
1 音 1 音をとても大切にされている先生のお気持ちが演奏を通してよく伝わってきました。
日比谷先生ありがとうございました。
Rep: 須山 直子