ピティナ会員研修交流会「アンサンブルパーク」
※終了しました
10:00~13:00
全国のピアノ教室におけるアンサンブル指導の実例がオンライン上に集まる一日です。5人のパネラーによるプレゼンとパネルディスカッション。
なぜピアノ演奏にアンサンブルが必要なのでしょうか。
ピアノはソロが多い楽器。
アンサンブルが出来なければソロも出来ません。
室内楽では、音楽性ばかりでなく、様々な音色から表情豊かな音楽表現、コミニュケーションで人間力をも鍛えます。
私の発表では、「ピアノ教室で行う室内楽の実践例」をご紹介します。共に創り上げるという意味で「共創」がテーマです。
2022年1月、私のピアノ教室で行う室内楽体験。共演は、大杉那々子先生(ヴァイオリン)と宮尾悠先生(チェロ)。映像により実際の様子をお伝えしながら、準備、モチベーションの工夫、生徒の変化を取り上げます。
音楽を継続するモチベーションには基礎力育成と楽しみの両方が 必要と考えます。私自身の音楽人生の中で、何が一番幸せな瞬 間だったかと思うと、コンチェルトを演奏できた事だったので、既存 のコンチェルト曲のレベルに達しない子供達に早くから好きな曲で オーケストラと合わせる経験をさせてあげたい、これが格安でコン チェルト発表会を企画する動機でした。留学時代の知り合いに依 頼し現役オケメンバーに協力いただき、子供達の弾きたい曲を作 曲家に格安で編曲依頼、指揮者や弦楽器奏者にアンサンブル指 導を数回していただいて、5分で5万円以内のコンチェルトを実現。ソロ出演の子と混ぜて行ったた め会場経費も安く、親の目線で金銭面では出来るだけ気楽に学びは大きくと心掛けた結果、門下生全体での幸福感と達成感の反響が大きく、今年も企画中です。ピアノ教室で運営可能な一例として、発表いたします。
一人芝居とも言えるピアノソロとは違い、自分が奏していない音とともに、複数の頭脳で演じる作品を、ピアニストはどのように読み、何を聴き、ピアニスト足るのか。音楽の中にピアニストである自分の居場所を見つけ、本領発揮を願うアンサンブルの世界は、日常生活の歩みにも通じ、結局のところ、ピアニストにとっては自身のピアノ磨きであると考えています。
共演者との縁がなければ、始める機会も難しいコラボラティブの分野ですが、私は、以前より親交のあるヴァイオリニスト 近藤浩子氏(岡山フィルハーモニック管弦楽団コンサートマスター)に快諾を頂いて、ヴァイオリンパートの演奏兼講師として協力を仰ぎながら、"ピアニストのための" 室内楽セミナーを始めることができました。ヴァイオリンとピアノのための二重奏に焦点を当て、教室のスペースを活用して、コロナ禍の2020年より運営した様子とこれからの展望をお伝えします。
私の教室の発表会では緊張してソロを弾いた後、ドラムやベースと一緒にアンサンブルをします。子供たちの好きなアニメの曲やYoasobiの曲など、ドラムとベースが入ると楽しい演奏になります。
発表会でバンドアンサンブルするために、以下の項目が必要になります。
アンサンブルの曲の選び方 | 導入期はテキストから曲を選んでみる/ディズニー、ジブリの曲は定番/ポピュラーの曲はなるべく簡単な楽譜を選ぶ |
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楽譜の準備 | ピアノ譜にはコードをつける/ドラム、ベースの人たちには原曲を聞いてもらう |
当日の機材 | ピアノにはマイクを入れてバンドとの音量バランスをとる/ピアノの音をベースやドラムに聞こえるように、モニタースピーカーを設置する |
これらの具体的な手順や様子をご説明しながら、リハーサルまでのレッスンの仕方、さらに応用編として、キーボードとピアノを使ってのアンサンブルのご紹介をいたします。また、いきなりステージでバンドアンサンブルとなるとハードルが高い場合は、公共の施設の練習室での体験会がおすすめです。
私はチェロ奏者としての演奏活動の傍ら、ピアノ学習者に室内楽を紹介する活動を各地で永く続けており、継続して活動を続けている地区からは、「生徒とコミュニケーションが取りやすくなった。」「通常のレッスンの効率が著しく上がった。」という声が多く届いております。これは、弦楽器の共演者が対等な立場でアンサンブルに入り、共に音楽を造りあげていく過程に、ピアノの演奏力向上にもつながる要素がたくさん含まれているからに他なりません。そして、室内楽導入への敷居はとても低いです。ピティナ・ピアノステップというシステムを利用して、室内楽に取り組む環境を作ることができますので、事例を含めてその方法をご説明いたします。また、実際にどのような教材を利用しているかも簡単に紹介いたします。
出演者全員で、アンサンブルから広がるピアノ教育の可能性、社会にどのようなインパクトを与えうるか等についてディスカッションします。皆様からのご発言もお待ちしております。
モデレータ:江口文子(アンサンブル・国際交流委員会委員長)