ピティナ・ピアノセミナー

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石黒 美有先生セミナー(名古屋・2021/12/03開催)

バイオリンとイタリア語でレッスンを楽しくする音楽表現アプローチ~弦楽器ボウイングと、生きたイタリア語から~
講師:石黒 美有

2021年12月3日(金)に日響楽器 池下店2Fホールにて石黒 美有先生をお招きし、「バイオリンとイタリア語でレッスンを楽しくする音楽表現アプローチ~弦楽器ボウイングと、生きたイタリア語から~」を開催いたしました。

石黒先生はイタリアに留学経験があり、ご主人もイタリア人で、まさに生きたイタリア語をご存知の先生です。今回は、先生のご主人でバイオリニストのサルヴァトーレ・ピェーディスカルツィ先生にバイオリンの奏法も丁寧に見せて頂けるとても贅沢なセミナーとなりました。

 音楽表現を伝える時に難しいポイントであるアーティキュレーション。アーティキュレーションは音と音をつなぐ部分、身体でいえば関節の部分。
ピアノ以外の楽器を知る事でピアノを弾いているだけでは理解しづらいアーティキュレーションのコツを伝えられたら〜と、先生のご著書「はじめてのピアノコンクールで生徒を成長させる指導法」より数曲を取り上げてお話しいただきました。

◆「アレグロ 変ロ長調K.3」W.A.モーツァルト
 ⭐︎2音スラー
 バイオリンでは、2音を一つのボウイングで演奏。1音目は弓の4分の3ほど、2音目は残りの4分の1ほどを使ってスラーを作る。ピアノでは2本の指で手の枠を作り、手の甲をつり上げるようにして指から指へ移す。
◆「甘い夢」チャイコフスキー
 ⭐︎チャイコフスキー の曲にはメロディーを弦楽器のように歌わせるレガートがよく出てくる。(例:ノクターンOp.19-4)バイオリンでは音程が広がるとポジションが遠く、特に神経を使う。
◆「フーガハ長調」パッヘルベル 
 ⭐︎♩を感じる
 バイオリンでは、続く♩をバルツァート(はずむ)で奏する。ピアノでは手首とひじをゆるませる。
◆「あやつり人形」ローデ
 ⭐︎左手の分散和音は、1小節♫♫を一つのボウイングでまとまりをもって奏する。
◆「ソナチネ へ長調 第1楽章」ベートーヴェン
 ⭐︎弓を使う量の変化で音に方向性を持たせる
◆「ソナチネ Op.36-4 第1楽章」クレメンティ
 ⭐︎第一テーマの右手はバイオリン、左手はファゴットによるタンギング
~など、バイオリンのボウイングを見ながら、そのボウイングが紡ぎ出す美しい音とアーティキュレーションを感じることができ、とても心地良い貴重な時間でした。自分の演奏にもレッスンにも生かしていけたらと思います。

また、楽語はイタリア人が生活の中で使っている言葉。
◎『だんだんゆっくり』
⭐︎ritardando ものが時間的に遅れている
⭐︎rallentando 締まっていたものがふわっと緩む。
⭐︎smorzando まぶしいものがかげっていく。パワーが衰える。
⭐︎morendo テンポも強弱もすべてのものが衰えていく(深刻な感じ)。

◎『速く』
⭐︎allegro 幸せそう、元気そう、嬉しそう。
⭐︎vivace 生きる、生命力があふれている、小鳥や子どもが走り回っている。
⭐︎con moto 動いている状態を続ける。
⭐︎Presto 動く速度が速い。

他にも沢山の言葉の意味をわかりやすく教えて頂き、私の中でこれらの言葉の捉え方が変わりました!
生きたイタリア語の意味を知る事が、レッスンを楽しく伝わりやすいものにできると実感しました。
他、イタリアの留学事情、音楽教育についても教えて頂き、日本との違いに驚きました。

そして先生方が演奏してくださるバイオリンとピアノの音の美しいこと!私にとって癒しの時間にもなりました。続きのセミナーがありましたら嬉しいです。石黒先生、素晴らしいセミナーをありがとうございました。

Rep:ピティナ名古屋支部 赤松佳容子

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