ピティナ・ピアノセミナー

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西尾 洋先生セミナー(名古屋・2021/11/01開催)

ショパンの《ワルツ》探訪 ~作曲の瞬間を追体験しながら~
講師:西尾 洋

2021年11月1日(月)に日響楽器名古屋池下店2Fホールにて、名古屋支部2021年下半期指導法シリーズセミナー第2回に西尾 洋先生をお招きし、「ショパンの《ワルツ》探訪 ~作曲の瞬間を追体験しながら~」を開催いたしました。

 私たち指導者は、年齢問わず小さな子どもでも芸術的な作品を学んでほしいものです。それがショパンの作品であればどんなにか素晴らしいことでしょう。その芸術的な作品を演奏するために、「どのようなイメージを持つのか!また、そのイメージが根拠のあるものになるようにアナリーゼで仕組みを理解し、音のその先を自発的に考える!」ということを、ショパンのワルツを題材に西尾先生に詳しくお話しいただきました。

 例を挙げますと、Op.34-2では、イ短調で自分がワルツを書くとしたら…と、指導者は生徒に問いかけ、どんな速度のどんなメロディーのワルツにするかを考えさせて8小節くらいで作曲させてみることを勧められました。それによって、生徒は自らが選んだ速度標語により曲想がクリアになります。また、メロディーは順次進行が基本ですが、そのルールを打ち破るとその先がどう繋がっていくかでストーリーが作られていく過程が実感できます。
 Op.64-2では、例えば繋がっていく音の感じ方や半音階に隠された魅力をどのように表現していくかなど、ある音が次にどう動いていくか、常に思いつく過程を感じるという体験の連続を具体的に教えていただきました。
 子どもたちはドリルなどの書く練習で楽譜への意識が高まり、またグループレッスンでメロディーを作った時の気持ちをお互いに伝え合ったりすることも効果的とおっしゃいました。そのような体験の積み重ねによって作曲家が曲を作った時の気持ちを想像して、こう弾きたいと思う気持ちの芽生えを大切に指導していかなければと強調されました。
 他にも、調の揺らぎや独特な和声、四声体で弾くことなどを理解した上でショパンの作品を読み解かなければならないのですが、演奏とは作曲家の追体験をすることで、あたかも今作曲して感動することが魅力的な演奏に繋がることを確信しました。

西尾先生の講座はいつもピアノを学ぶ子どもたちへの深い愛情を強く感じます。偉大な作曲家たちが残してくれた素晴らしい作品を、子どもたちの感性や自主性を大切にしながら正しく確実に伝えていけるよう心掛けていきます。
西尾先生、素晴らしい講座をありがとうございました。

Rep:ピティナ名古屋支部 野原眞由美

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