ピティナ・ピアノセミナー

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本多 昌子先生セミナー(横浜・2021/10/21開催)

古典派について
講師:本多 昌子

2021年10月21日(木)にカワイ横浜「プラージュ」にて、今までも講座やアドバイザー等をお願いしている本多 昌子先生をお招きし、「古典派について」を開催いたしました。

「素敵に奏でたい!古典派の作品」をテーマに本多先生の素敵な演奏を交えて、思わず聴き入ってしまった魅力的なひと時でした。

◎古典派前後の時代の楽器製作の発展
・クラッシックを勉強するにあたってその作品の背景にある世界史の勉強は必須
・イギリス産業革命(農業→工業)、フランス革命(絶対君主制→市民階級の台頭)と共に楽器製作の発展もみられる。
・チェンバロ、クラヴィコード(室内楽向け)、ピアノフォルテなどの楽器の改良による作風の変化。今のピアノがあるのもベートーヴェンのおかげ。

◎作曲家たちと音楽の特徴
・それほど難しくなく、楽しく弾ける「安定性」ある形式。
・ピアノメソードの確立

◎譜記法の発展~印刷技術の発達
・強弱記号、スラー、スタカート、テンポこれらのアーティキュレーションの組み合わせで表情豊かな音楽を作っている。
・教会音楽多声音楽、宮廷音楽バロック音楽から古典派
・バッハの子供たちがバロックから古典派への橋渡しになっている(ポリフォニーからホモフォニーへ)
・強弱記号pfの言葉の初登場がイタリアンコンツェルト、その後モーツァルトにも現れてくる

◎古典派の作曲家が使用していた楽器のお話
・ベートーヴェンがソナタ21~25を作曲した頃、エラールのピアノとの出会いから次々と改良されたピアノのお話。
・ウィーンの宮廷ピアノ製作者1825年グラフが難聴のベートーヴェンの為に3本弦に一本弦を足して少しでも音が聴き取りやすくなるようにとピアノを制作した。
・これは後々耳の不自由な音楽家の役に立っている。
・1818年イギリスの楽器製作者が寄贈したのがハンマークラヴィア
・晩年のベートーヴェンは元に戻って繊細な音色が出せる楽器を望んでいたのではないか
 と言われている。

◎古典派の音楽の始まりのソナタ形式の成り立ちのお話
・安定感、安心感があり、先が見通せる形式。
・フランス組曲の4つの柱(アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ)がソナタや交響曲の1~4楽章の基になっている。
・調性により音楽の色合いが出せるようになるのも楽器の発展による。
・調性の持つ性格の対比など重要。
・原典版の楽譜を参考にする時には注意が必要。

☆推薦図書ビジュアルで楽しむピアノの世界(学研)


★セミナー参加の方々より感想を頂きました

〇やはり人類の歴史の変化と楽器製作の絶えざる発展と共に古典派の作品が生まれたという事,市民階級の楽しみへと広がった音楽,ピアノメソッドの確立と素晴らしい発展を遂げた音楽の世界を、生徒さんにも実感してもらいたいと思いました。

〇特にモーツァルトとベートーヴェンのピアノ音楽の印象が変わりました。本多先生のたくさんの実演を交えた内容はお見事でした!

〇アーティキュレーションの組み合わせで表情豊かな音楽を作る…当たり前の事を中々実演出来ないと、生徒さんには『モーツァルトはオペラ,ベートーヴェンは交響曲と弦楽四重奏曲を聴きなさい。』だけでは生徒さんに還元出来ないなと思いました。

〇スタッカートの概念につてビックリでした。


音楽を勉強する上で古典派を学ぶことの大切さを分かりやすくお話をして頂きました。

本多先生ありがとうございました。

Rep: 須山直子

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