ピティナ・ピアノセミナー

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中田 雄一朗先生セミナー(名古屋・2020/12/07開催)

2020年度 下半期ピアノ指導法 シリーズセミナー 第3回(全4回)四期別指導法とそのポイント
講師:中田 雄一朗

2020年12月7日(月)に日響楽器 池下店2Fホールにて中田 雄一朗先生をお招きし、「2020年度 下半期ピアノ指導法 シリーズセミナー 第3回(全4回)四期別指導法とそのポイント」を開催いたしました。

会場とオンラインの2つの方法で多勢の先生方が受講されました。
 
 『四期別にこう弾かなければいけない』というのは基本的に無く自由に表現すればよい。時代を意識せず各作品一曲一曲と向き合う事が最も大切。
 まず冒頭でこのようにお話しをされ、レッスンでよく用いられる各時代の曲を例にあげながら、ピアノ演奏を交えてお話ししてくださいました。
その一部をご紹介します。

☆バロック
 まず意識するのは装飾音。理論的にはいろいろ考えられるが、子どもが弾く場合は、その子が一番入れやすい装飾音を入れるようにするとよい。コツとして、すべての音を耳で聴き取ると粒立ちが良くなる。
 ♪インベンション2番(バッハ)
・7度や8度の跳躍を感じる事が大切だが、感じすぎるとロマン派のようになってしまうので節度を持って。
・どこにクライマックスを持って来るのか考えて、そこに向かう時に少し時間を使う(エネルギーをチャージする)のはNGではない。
・左手は右手の倍は練習する。

☆古典
 ♪ソナチネop.36-1(クレメンティ)
・左右のちょうど良いバランスを見つけ、左にもある程度の表情を感じ取る。
・提示部の最後は終わりではないので、次に向かう気持ちでのブレスを大切にする。
・フィンガーペダルは、アルベルティバスなど古典派に生かせるテクニックの一つ。
・全楽章を勉強する。

 ♪ソナタK.545(モーツァルト)
・4小節目のトリルは『ソファミ』のラインを崩さないように入れる。
・アルベルティバスのフィンガーペダル。
・何の曲でもそうだが、同じ部分が続く時は何か違う表現をする。
・和音の進行、伸びている音をよく聴く。

☆ロマン
 ♪貴婦人の乗馬(ブルグミュラー)
・冒頭からのメロディーは、一番上の音がバランスとしてよく出るように。拍頭は程よく強く(やり過ぎNG)。
・雰囲気の変化をよく感じて。

 ♪ゴンドラの船頭歌(ブルグミュラー)
・ハーモニーの動きを大切に。
・左手の伴奏のアクセントは、おだやかに波があたるような感じで。
・ロマン派の楽曲では、今までの時代の曲以上にメロディーを歌だと思って、歌う時の息と同じようにフレーズを作ると流れが良くなる。

☆近現代
 ♪アラベスク第一番(ドビュッシー)
・今までにないにじむような響きをきれいに重ねていく。ペダルの使い方が重要。
・バスのラインを響かせ、左手にも歌心が必要。 すべてに共通して大切な事は、耳を使い楽譜をしっかり見ること。よい耳を作るには、常に自分の音をよく聴き、小さいうちから色々な楽器の生の音を聴くと良い。沢山遊んだり美味しい物を食べたりと人生経験も表現力につながる。

中田先生がピアノを演奏されお話しされるお姿に〈音楽が好き〉なお気持ちが溢れていて、すっかり引き込まれあっという間に時間が過ぎていました。この様な気持ちで音楽をすることもとても大切な事とあらためて感じたセミナーでした。

中田先生、ステキな学びの時間をありがとうございました。

Rep:ピティナ名古屋支部  赤松佳容子

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