ピティナ・ピアノセミナー

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田崎悦子先生セミナー(表参道・2020/02/14開催)

ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノ・ワークショップ Joy of Music 40+ Vol.15 第1回(全2回)
講師:田崎 悦子

2020年2月14日(金)にカワイ表参道コンサートサロンパウゼにて田崎 悦子先生をお招きし、「ピアニスト 田崎悦子 大人のためのピアノ・ワークショップ Joy of Music 40+ Vol.15 第1回(全2回)」を開催いたしました。

毎度大変好評な、ピアニスト田崎悦子先生による大人のための公開レッスンも、本日で何と15回目。音楽を生涯の学び・楽しみにしたいと考えていらっしゃる方々のために、田崎先生がどのような言葉がけをされ、どのようなテクニックをお伝えになるのかと、今回も朝から多くの方が集まりました。

 最初に受講されたのは鵜家聖子さん。ラフマニノフの《楽興の時》の中でも、田崎先生が最も難しいと仰る第1番を演奏されました。左と右で違うリズムを刻んでいる時や速いパッセージになった時に、イメージ通りの音楽が出来ないと悩みを打ち明ける鵜家さんに対し、田崎先生はまず鵜家さんの音楽性を素晴らしいとコメントされた上で具体的なアドバイスをしてゆきました。左手の細やかに動く伴奏はフレーズの終わりを丁寧にすること、右手の主旋律は息長く捉えること、転調の時には音質の変化にも気を配ること、ペダルを踏みこみ過ぎないことなど、田崎先生のアドバイスは演奏技術に直結するものであり、聴いている私達にもとてもわかりやすいものでした。実際、鵜家さんの音は数十分の間にもどんどん変化していました。

 2人目に受講されたのは、松浦雅代さん。べートーヴェンの難曲の1つ《熱情》ソナタ第2楽章・第3楽章を演奏されました。レッスン内容は技術的な難所の多い第3楽章が中心となりました。田崎先生は第2楽章ではとても明瞭に現れている松浦さんの音楽創りが、第3楽章で見えづらくなってしまうのは勿体ないということで、田崎先生は第3楽章を演奏姿勢の修正からレッスンし始めました。技術的に難しい曲はつい身体が前のめりになってしまいますが、田崎先生は鍵盤を広く見渡し、自分の音をよく聴くことが、思い通りに弾くための近道であることをお話されました。松浦さんご自身も「弾きやすい!」と思わず声をあげ、その後の田崎先生の様々なアドバイスに、懸命に耳を傾けていらっしゃいました。

 最後に演奏されたのは横山仁子さん。ラフマニノフの前奏曲から作品23-5と作品32-12の2曲を演奏されました。特に作品23-5はテンポが速く重音も沢山あるため、特に人前で演奏する際には精神面の強さが必要となります。なかなか一発で思い通りに弾けないという横山さんに、田崎先生は家で弾く時から本番で必要な集中力を維持するよう、練習方法や練習への向き合い方をアドバイスされていました。そのほかにも田崎先生は強弱や弾きにくい音型を分析的に練習することをアドバイスされ、横山さんの演奏は音楽性を増してゆきました。 大人になっても音楽を続けるというのは、喜びも大きい一方、練習時の集中力の維持や練習時間の確保が大変です。しかしながら、田崎先生のレッスンを受けたお三方や聴講されていた方はきっと、家でこう練習してみよう、というアイディアが次々浮かんだことと思います。この公開レッスンは2回制で、受講生3名は2週間後、もう一度田崎先生の前で演奏することとなります。お三方の演奏がどのように変化しているのか、大変楽しみです。
(A.T.※カワイ音楽振興会HPより転載)


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