2020年2月17日（月）にスガナミ楽器（株）経堂店 グランドピアノサロンにて野本　由紀夫先生をお招きし、「リスト博士 野本由紀夫 サロンセミナー『２つの演奏会用練習曲』『３つの演奏会用練習曲』『ラ・カンパネラ』」を開催いたしました。

経堂ショールームグランドピアノサロンでは、放射線状に配置された音響拡散パネルや拡散壁、吸音パネルといった素材を使用し、ピアノの音がとてもクリアで立体的に聞こえるお部屋となっております。この環境のなかでヤマハS6Xを使用し、リストの音楽を全3回にわたり野本由紀夫先生にお話いただくシリーズ、第1回の今回は「2つの演奏会用練習曲」・「3つの演奏会用練習曲」・「ラ・カンパネラ」をテーマにお話いただきました。

ムジカ・ブタペスト版から、新リスト作品全集からの分冊版が2017年から出版され始めました。これまでのブタペスト版とどのようにちがうのか、そもそも他の原典版と、校訂方針がどのように異なっているのでしょうか？そこには「原典版」についての根本的な考え方の変遷がみてとれます。原典版とは校訂者による批判的解釈を加えられています。リストの自筆譜と比較していくと、細かいちがいがたくさんあり、それぞれ出版された年に何が受け入れられていたのか、また校訂者のこだわりが感じられました。

世界中で親しまれているリストの楽曲ですが、自分ならではの演奏を作り上げるために、版による違いがどこからくるのかを理解しているとより深い演奏になっていくのではと思いました。

次回は3月16日(月)に第2回「ソナタ」・「メフィスト・ワルツ」が行われます。奥深いリストの世界をお楽しみください。野本先生、どうもありがとうございました。