川崎紫明先生セミナー(田園調布・2020/01/31開催)
2020年1月31日(金)に田園調布「ピアノサロン ノア」にて川崎 紫明先生をお招きし、「1本指からのピアノセミナー」を開催いたしました。
先生は鈴木メソッドの耳とグレン・ドーマン博士の目の両方の視点から脳科学レッスン革命として川崎音符ビッツ教材を開発され、「音符ビッツピアノ1」の教本を2018年発刊されました。目と耳との統合で6倍にも脳が活発化するお話を始めに講義され、続いてこの教本のもとにある、音符ビッツ教材の説明、そしてこの本の使い方の実践へと初めて参加する先生方をも「音符ビッツピアノ教本」の世界へ引き込んでいきました。
一昨年、去年も同じ本のセミナーを開催されましたが、リピーターの先生方がとても多いのが印象的でした。指の形、脱力の指導方法を勉強しようと熱心に遠方からも通ってくる先生方の視線がとても熱かったのが印象的でした。きっと音楽的に育つこの音符ビッツ教材の良さが生かされた教本だからではないでしょうか。脱力もフォームも一括で出来る魔法の教本ですから、指導者の生徒への観察力も問われるのでしょう。先生方も真剣な眼差しで食い入るように覗き込み、実践レッスンを見ている真剣さにとても心打たれました。
教本に書かれている通りとは言え、実践してみると、まずは音読からです。子ども自身の頭でしっかり理解出来るようじっくり読ませます。読ませるなかでも、四分音符ワンの続く読み方から音楽的指導が入ります。そして先生の模倣で始まります。先生のテンポは実にじっくり子どもが集中できるテンポ感そして、真似させるけど、否定せず、何回か繰り返し改善していくだけなのです。それだけで良くなっていく、まさに子どもの未知なる可能性を引き出す教材でもあるように感じました。1本指で始めるけれども、なぜなのかその疑問も講座で説明され、この教本の意味が伝わったセミナーでした。また教本が進むとリズムが変化していきます。リズムが変われば打鍵方法も脱力方法も変わっていく、それを見事に受講者で実践レッスンしてくださいました。そして終わりまで行くとまたはじめに戻り今度は3本指で指のフォームを形作っていきます。不思議なことに1本指で出来ると3本指でも出来るようになってしまう魔法が1冊の蓄積ということでしょうか。3本指が出来るようになってくると次は音階へと導くところは幼児から大人まで初歩だけでなく、すでにピアノが弾ける生徒のためのテクニックに及ぶ幅広い生徒のサポートに使えるこの教材はこれからのピアノの世界を変え行く1冊になることでしょう。まさに万能のマジック教本です。
そしてこの教本で育つ未来像としてモーツァルトのソナタを弾く子の演奏動画を見せてくださいました。休憩時前には数々の質問が飛び交い、真剣に取り組むセミナーへの熱意が伝わってくる参加者の熱意とそれに全てお答えする先生の寛大さに頭が下がりました。
最後には音符ビッツで育ったご令孫の演奏は、とても素晴らしく音楽を奏でたいという思いがしみじみ伝わってくる演奏でした。未完成な部分があっても思いが伝わる演奏はなかなかありません。こう音楽を奏でて欲しいなと普段から願う演奏でした。一つ一つの音が生きているのは、音符ビッツで育ったからでしょう。最後の完成していく姿をも魅せてくださるとても内容の濃い素敵なセミナーでした。
Rep: 宮地 佳代