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石黒加須美先生セミナー(横浜・2020/01/09開催)

石黒加須美先生による指導法セミナー 第5回(全5回)ブルグミュラー25の練習曲の指導法について
講師:石黒 加須美

2020年1月9日(木)にカワイ横浜「プラージュ」にて石黒 加須美先生をお招きし、昨年4月から全5回シリーズで行われた、「まいぴあの講座」のまとめの回、「石黒加須美先生による指導法セミナー 第5回(全5回)ブルグミュラー25の練習曲の指導法について」を開催いたしました。

第1回~第4回までは、それぞれの年齢、発達段階に応じて何を与えていくか、「まいぴあの」シリーズや絶対音感の導入を通して、年齢に合った曲が弾けるように、継続力のある子供を育てるために必要な土台となるもの=音楽の基本を、どのように教えて行くかを学んできました。

第5回は、まとめの回として、「ブルグミュラー25の練習曲」を使って、ロマン派の音楽を表現するためには何が必要か、ということをお話しいただきました。ピアノの演奏とは、楽譜からその時代の作曲家が作った音楽を読み取り再現し、その想いを伝えること。その事を、どうやって生徒にわかりやすく伝えていくか、ということを学びました。

具体的に牧歌、素直や貴婦人の乗馬などの曲を用いて、和声、調性、曲の構成がどうなっているのか、またおんがくのーとへの構成の書き方等を、具体的にお話しいただきました。例えば、シンプルで素朴なハ長調からト長調に転調したら、何が起こるでしょうか。シャープが1つ増えることによって、輝かしい雰囲気になる、色合いの変化、緊張感を感じることも事もあるかもしれない、という問いかけがありました。どのような演奏が望ましいか(素敵か)生徒に教えるには、感性だけではなく、理論の裏付けによって、響きや構成をきちんと理解して伝えることが重要だそうです。貴婦人の乗馬を解説しながら実演して下さった時には、会場からため息が漏れました。

教材として使われた、「ブルグミュラー25の練習曲 ロマン派の作品の指導法(石黒加須美先生・石黒美有先生 著)」は、先生ご自身のアナリーゼを、複数の作曲家の先生方に実際に見ていただき、ご意見を伺い、検証されたそうです。沢山の子ども達をご指導されている、石黒先生の研究を裏付けると共に、現場の指導で培われた内容を採用されたとのこと。

石黒先生の著書から引用させていただくと、
・音階と和音
・形式
・強弱表現について
・音程
・半音階
・和声音と非和声音
・調性感
・機能和声と終止形
・フレーズとブレス
・タッチと音色
・表現記号

ここに挙げるだけでも、各項目毎に内容が深く、1曲の中にこれだけの物が詰まっているのかと驚きました。限られた2時間という時間では到底足りない、非常に濃い内容の学びでした。

5回の講座に共通していた事は、努力したいという本能を持って生まれてきている子ども達、一人ひとりに何が出来て何が出来ないかを
見極め、探ってあげること、きちんとした処方箋を与えてあげれば、全ての子ども達は伸びて行く。そのために、指導者は常に勉強し、見極める千里眼を持ってレッスンをしていかなければならない、という石黒先生が長年のご指導で柱として来られた指針を、受講者一同感じる事ができたのではないかと思います。

4月からは、「更に深く学びたい」という声も多くの声があり、ブルグミュラー25の練習曲を使用し、テクニック、おんがくのーと活用法、まいぴあのの復習も織り交ぜた、第2弾が企画されています。
4月からのご参加もお待ちしています。


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