西尾洋先生セミナー(今治・2019/09/16)
2019年9月19日(木)にカワイ川口ショップ・コンサートサロンにて赤松 林太郎先生をお招きし、「赤松林太郎徹底講座シリーズ クラシック編 ベートーヴェン ソナタ vol.5 」を開催いたしました。
2019年9月16日(月)に朝倉ふるさと美術古墳館にて西尾 洋先生をお招きし、「和声の練習帖 -手の形で和声感を身につける-」を開催いたしました。
まず基本の和声の説明がありました。①和音は3つか4つの音でできている(それには声部があり構成がある)。そして②調性があり、③終止(フレーズ)がある。
そして和声感についてです。上記の①,②がどんな組み合わせや混ぜ方をして、③行き着く音は何なのか(この音ではまだ続くな!とか、この音で終わったな!とか)。こういう事が和声感で、この和声感で作品の内容を表現していると説明されました。
この和声感を訓練することにより"あっ!今は何調で何の和音"と反射的に表現できるようにします。一つ一つの音でなく手の形で覚えます。ただその音を弾くのでなく、音の流れが元の世界から揺れ動き、はみ出してどんな意味があるか。どういう終わり方をするのか。秘密を探していくという事を、きらきら星(フランス民謡)やアラベスク(ブルグミュラー作曲)を例に挙げて説明がありました。
先生の説明とピアノの音色を聞いていると不思議な空間を感じます。受講されている皆さんの表情も引き込まれている様でした。そんな気持ちになったところで和声の練習帖に入りました。
まず和音を音名でぶつぶつ言う練習です。練習帖には「あらゆる和音のいろいろな形を瞬時に考える。」とあります。先生の指示で音階上の四和音(ドミソシ・レファラド...)を皆でぶつぶつ言ってみました。"ぶつぶつ"の言葉の裏には速さがありました。よほど集中しないと言えません。
次の「カデンツ・ユニットを弾く」は基礎練習に添ってのカデンツの分析です。最初は I IV I です。先生は「動きのある音は2度ずれ( I IV )。そして戻る( IV I )」で表現されていて、"何の音へ進む"でなく"手の形で覚える"という事でした。
この I IV I のカデンツについては譜例9まであり、あらゆる角度から分析されています。そして〈 学びのポイント〉があります。このポイントは素敵な文章で書かれていて"もう一度弾いて響きを味わってみようかな!響きを確かめてみようかな!"とか"次へ進んでみようかな!"という気持ちになります。
長いカデンツはいくつかのカデンツをつなげたものとしてとらえる。そして大きな流れで覚える。音を出す前にどんな響きにするか想像する事が大切と説明がありました。
先生に来て頂いたのは何度目でしょうか。先生の説明はとても穏やかで分かり易いです。が、同時にとても奥深いものを今回特に感じました。練習帖...書きつけたいです。
ピティナ埼玉県支部 石山 のどか