ピティナ・ピアノセミナー

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平間百合子先生セミナー(鎌倉 2019/05/18)

2019年度 コンペ課題曲企画 課題曲公開レッスン

講師:平間 百合子

2019年5月18日(土)に鎌倉婦人子供会館 ホールにて平間 百合子先生をお招きし、「2019年度 コンペ課題曲企画 課題曲公開レッスン」を開催いたしました。

会場は、翌日鎌倉地区ピアノステップを行う予定の鎌倉婦人子供会館ホールでした。
平間先生は、数多くのコンクールで決勝入賞者を多数輩出、また数々のコンクールの審査員もなさっている素晴らしい先生です。公開レッスンですので、指導者だけでなく親子連れの聴講者も多数見受けられました。
開始前に先生は受講生に優しい口調で語りかけ緊張をほぐしてくださって、和やかな雰囲気の中、講座が始まりました。
小さなお子さんには、瞬時にイメージを掴むことができるような言葉掛けを、高学年の方には、作曲者の背景や文化、歴史、曲の持つ空気感など、先生の豊かな知識に基づく数々のお話に聴講者は皆聞き入っておりました。コンペ曲レッスンでしたが、先生の発想豊かなピアノ奏法の説明は、日常のレッスンにすぐにでも取り入れられそうなことばかりでした。

A1、B級では、重力の乗せ方、腕の使い方、タッチなどに関する基本的で大事な話に重点が置かれました。
起立した状態で片足ずつ体重を乗せたり、受講者の手の平で重みの変化をつけながらリズムを打つことで圧の違いを理解させたり、長いフレーズはハートを大きく描くようにとか、アウフタクトはブランコをこぐ時に後ろに足を一瞬引くイメージでなど、受講生にとても分かり易い例えで教えてくださいました。
C級では、左手も細部まで意識を持つ、古典曲はオーケストラのイメージでtuttiとsoloでの楽器構成の違いを考えること、ショパンのワルツに関してはベルカントでマズルカのリズムを感じるように、バッハの作品についてはカンタータに触れるとよいなどのお話はとても勉強になりました。
主旋律と対旋律のイメージとして、ディズニー作品「ノートルダムの鐘」での寺院の瀟洒なステンドグラスに反射した光が上下に交錯しながら移ろいでいく光景を心に描いてみてくださいというお話は、とても印象深くて感銘いたしました。

先生が横に寄り添って多彩な音色で一緒に演奏なさると、息吹を吹き込まれるように受講生の音が変化していくのを手にとるように感じました。
平間先生のレッスンを聴講してとても実感したのは、レッスンで生徒の心に打てば響くように伝えるには、豊かな想像力を持つことが指導者にとって非常に重要だという事でした。
また日頃のレッスンで活用できる言葉のアイテムもたくさんいただき、充実した2時間でした。先生、本当にありがとうございました。

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