ピティナ・ピアノセミナー

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西尾洋先生セミナー(名古屋 2018/11/26)

2018年度 下半期ピアノ指導法 シリーズセミナー第3回(全4回)
和声の練習帖 -手の形で和声感を身につける-
講師:西尾 洋

2018年11月26日(月)に日響楽器 池下店2Fホールにて西尾 洋先生をお招きし、「名古屋支部2018年下半期ピアノ指導法 シリーズセミナー 第3回(全4回)和声の練習帖 -手の形で和声感を身につける-」を開催いたしました。

西尾先生には昨年、「楽譜の向こう側」~独創的な演奏表現を目指して~と題された講座をして頂きました。楽譜の背後にある「意味」を探り出し学び取ることで説得力のある表現になり、さらに独創的な表現に繋がることを教えていただき、大変感銘を受けました。
そして今回の「和声の練習帖」では、和声学習を従来の「規則に従って課題を解いていく」方法ではなく、「正解を弾いて覚える」方法を用いた鍵盤和声への導入法やその展開を、具体的にご指導いただきました。

 「和声の練習帖」はワークブックのように活用でき、各々のペースで和声の学習ができます。第1章では、和音をドミソ、レファラ、ミソシなど、音名で早く言えるようにすることから始めます。そして次に、短いカデンツをゆっくり弾きながら響きを聴き取り、記憶してから五線譜に再現する(一人聴音)までを習得して基礎練習とします。この基礎練習により手と耳で和声を覚え、ソプラノを修飾してメロディを作ったり、カデンツの移調奏、転調奏にと発展させていきます。
第2章では数字付低音として、バスから何度上に和音構成音があるかを数字で示して和音を作ることを示されました。これは音程の分かる生徒に簡単な課題から早速レッスンで取り入れてみましたが、ゲーム感覚でとても楽しくできてレッスンが盛り上がりました。
このように和音を集中して学習すると、和音の違いや各声部の流れを感じて和声感が身につき、横の流れを感じて旋律を生み出すことができます。そしてその後の章では、対位法の理解や通奏低音などの習得にまで繋げられる内容となっており、なんと合理的で理解し易い勉強法かと大変驚きました。また各作曲家の音楽を和声で考える内容は、今すぐ直結する課題として取り組めるものと思われます。

前回の講座で西尾先生は冒頭に「音と音の間に何が見えますか?」と問われ、楽譜の中にある表現の可能性をご指導いただきました。今回は「体験をきっかけとして驚きや喜びを感じてください。その直感の先に問いがあり理解があり、さらに豊かな世界が広がり、また新たな体験をすることができます。」とお話しされ、その体験の具体的な方法とその先の学びの可能性を教えていただきました。
この今までにない和声の取り組み方に、音楽を学ぶ子供たちに楽しく確実に和声感を身につけてほしいという西尾先生の深い愛情を感じ、自分自身がしっかりと習得して生徒たちに正しく伝えていかなければと心に強く命じました。
西尾先生、素晴らしい講座をありがとうございました。

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